元料理人で現コンサルなラヲタ

40代/男性

・仏伊中印料理の元シェフで、現在はコンサルティングに携わっています
・宅麺は主に製麺・スープ開発の参考用に利用しています
・麺の加水率やスープの甘い、塩っぱい、辛い等は主観ではなく、全て検査器により数値化した絶対値及び相対値を元にコメントしています。答え合わせのご参考に
・味覚検定チョコEASY・NORMAL・HARD全問正解(全問正解率1%)
・ラヲタ歴35年以上、春木屋・丸長・土佐っ子の味で育ち、家系直系・二郎直系・東池袋大勝軒直系は何周もしている元ガチ勢です
・プラチナ会員ですが抽選販売はクジ運悪く大抵先着販売で買っています
・店主へのリスペクトと、同じ飲食に携わる者として、プロの作った作品に点数など付けられないという理由で、星は基本的に全部5にしています

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2025年12月10日

スープは豚肩ガラの柔らかい旨味とコラーゲンのとろみ、鶏ガラの風味と厚みが共存するまろやかな口当たりの豚骨醤油となっています。
 
塩分濃度は約2.5%と濃め寄りですが、カエシからは尖ったシャープさの無いクラシック系のようなすっきり穏やかなキレもあり、
武蔵家ほどのドロ感や雑味はないものの、熟成感のある旨味と豚骨臭は充分で、親鶏100%の香り高い黄金鶏油もスープに深いコクと旨味を与えています。
なお鶏油はやや多めなので、開封前に軽く振って鶏油をスープに行き渡らせてから丼に注ぎましょう。
 
麺は酒井製麺の逆切り中太家系麺ですが、以前使っていたB麺ではなく杉印になっていて、麺を確認した瞬間ハートを鷲掴みされました。
吉村家直系店などのごく一部にしか卸されない杉印は酒井の標準タイプよりも更に短く、
ふんわりプリモチとした個性的なコシがあり、カタメよりも普通かヤワメに茹でる事でポテンシャルを最大限に発揮します。
 
付属トッピングのチャーシューは直系タイプの吊るし焼きではなく、六角家系譜の豚モモ煮豚スライスが1枚。
ややギシった食感ですが、25年くらい昔の出店直後の中板橋武蔵家に似た感じで、個人的にはノスタルジックな満足感に浸れます。
解凍は湯煎だと繊維質が縮まり硬くなるので、出来れば流水が好ましいです。
 
ちなみにほうれん草や小松菜などの青菜は付かないので、必要な方は各自用意です。
あとライスもガッツリ用意しておきましょう。嬉しい事にスープ量タップリで、海苔も5枚も付けてくれています。
 
裏武蔵家はオープン時に頂いて以来ですが、その際に頂いた裏むさや定番ラーメンから感じたパンチの強さは影を潜め、
今回頂いたものは以前に比べるとマイルドな構成で、全体的なバランスが整えられており、
直系っぽさもありつつ、カエシやガラなど細かい部分で自由度が感じられる、日々進化している武蔵家系というイメージでした。
 
現在宅麺で販売されている野良裏家は裏武蔵家の2号店ですが、野良裏家は裏武蔵家とはまた違った個性が発揮されているので、食べ比べてみるのも面白いと思います。
 
 
なお説明書きにもある通り、麺は前日晩からの冷蔵解凍をお勧めします。
冷凍生麺の冷蔵解凍は結露や乾燥による品質劣化を招きやすいので本来はNGですが、
酒井製麺の家系麺は冷凍だと麺同士がくっついている事が多いため、茹でる前に解しておけば茹でミスを確実に防げます。
 
解凍出来たら麺同士を優しく剥がすように解し、乾燥しないよう手早くばらけさせ、解したら放置せずすぐに茹でましょう。
茹で始めたらなるべく触れず、対流で自由に泳がせてあげて下さい。茹でながら箸で解そうとすると、麺肌が傷付き、千切れたり、食感が悪化したり、伸びやすくもなるので絶対にやめましょう。

10

2025年12月02日

カシミールカレーはデリーのカレーメニューで最も辛く、辛味をストレートに感じられるようトロみをなくし、シャバシャバのスープ状にしているのが特徴です。
 
辛さの他にも、ブイヨンの深いコクと旨味、フルーティな甘味と酸味、クミン、カルダモン、コリアンダー、クローブ、シナモン、アドワラッスンなどのスパイスによる爽やかな香り、
チリの鋭くキレのある刺すような刺激など、多数の構成要素による緻密な計算によって味が作りあげられています。
 
また艷やかで黒みを帯びた色合いをしていますが、こちらは金沢カレーと同じようにカラメルと玉葱などで色味が付けられています。
 
ライスは辛口のカレーと相性の良い甘味の強いジャポニカ米を使用し、シャバシャバのカレーに合わせてやや硬めに炊かれています。
画像5枚目のような耐熱容器に入っているので、そのままレンチン解凍でOKです。
 
具材はホロホロと崩れるくらいに軟らかく煮込まれたゼラチン質の牛ほほ肉が大きなぶつ切りで4〜5個ほど別パックに入っています。
ただ銀座店で以前頂いた牛ほほ肉の味と違い、肉質と冷凍の関係かやや臭みが感じられた為、
気になる方は適度な大きさに解して、カレーをしっかり染み込ませてから頂くとよいです。
なお宅麺では牛バラ肉バージョンも販売されているので、そちらと食べ比べてみるのも面白いと思います。
 
またカレーに加える際、パック内に油分が溜まっているので、封を開けて直接流し込まずに、油が入らないよう具材だけ移すようにしましょう。残った油はラーメンの香味油や炒め物などに再利用出来ます。
 
その他マサラもたっぷり付いてくるので、よりスパイシーにキメたい方はお好きな量をお好みで。
シナモンが鮮烈に香るフレイバー重視のマイルドなマサラなので、これ以上辛くなる心配はありません。
 
デリーは全国的に有名な老舗ブランドで、暖簾分けされたお店やレトルト販売もあり、カシミールカレーも何らかの形で食べられた方も多くいると思いますが、初見の方はシャバシャバのスープ状と強い辛さにちょっとした驚きがあるかもです。
 
私は今回ラッシーを添えて万全の態勢で臨みましたが、実店舗のようにふかしたジャガイモをカレーに加えると、美味しい上に舌の逃げ場も出来るので、辛さ対策にもお勧めです。

5

2025年11月25日

タレはナンプラーによる魚醤特有のキレとコク、小海老を揚げて香りを移したエビ油の香ばしい風味で構成されています。
 
麺は混ぜやすくやや短めにカットされた多加水角刃太縮れ手揉み麺。
熟成感のある甘味とブリッブリの弾力が魅力的で、まずは麺とタレだけでしっかりと入念に混ぜ、次に海老油を加えて混ぜるようにすると、
味にムラが生まれず、塩味の角が取れ、麺の甘味も溶け出したまろやかな味わいに仕上がります。
 
本品は油そばという名の通りエビ油が軸となっていますので、まずはエビ油がトロトロに乳化し、汁気が無くなるまで入念に混ぜましょう。
 
そこにスイートチリを味変に加えると、塩味と甘味と柔らかな辛味がバランス良く調和し、一気にベトナムチックなテイストに変化します。
 
付属トッピングの拍子木切りチャーシューは醤油感のあるやわらか煮豚タイプと、香ばしく焼いたスモーキーな焼豚タイプの2種類が別々にパックされています。
メンマはやや濃口で、コリコリとした硬さと豚挽肉の弾力が食感にアクセントを与えています。
 
ここにレモンやライムなどの柑橘果汁とニョクマムを少々垂らし、レタス、パクチー、赤ワケギ若しくは赤玉葱などの生野菜をトッピングすると、よりアジアンな味わいに仕上がります。
私はモイオットチャンというベトナムのチリソースを足してアレンジしてみましたが、辛い物がお好きならタバスコ(ハラペーニョソース)を少々垂らすのも合うと思います。
 
あとは大葉、パプリカ、キュウリ、カイワレなどを加えても美味しいので、冷蔵庫に余っている食材があれば色々トッピングしてみるのも良いかもですね。

10

2025年11月25日

タレはやや甘口の砂糖醤油と、小海老を揚げて香りを移したエビ油の香ばしい風味で構成されています。
 
麺は混ぜやすくやや短めにカットされた多加水角刃太縮れ手揉み麺。
熟成感のある甘味とブリッブリの弾力が魅力的で、まずは麺とタレだけでしっかりと入念に混ぜ、次に海老油を加えて混ぜるようにすると、
味にムラが生まれず、砂糖醤油がマイルドになり、麺の甘味も溶け出したまろやかな味わいに仕上がります。
 
本品は油そばという名の通りエビ油が軸となっていますので、まずはエビ油がトロトロに乳化し、汁気が無くなるまで入念に混ぜましょう。
 
付属トッピングは拍子木切りチャーシューとメンマと刻み海苔が個別になっており、
チャーシューは醤油感のあるやわらか煮豚タイプと、香ばしく焼いたスモーキーな焼豚タイプの2種類が別々にパックされています。
メンマはやや濃口で、コリコリとした硬さと豚挽肉の弾力が食感にアクセントを与えています。
 
またネギ、青菜、ナルト以外に大葉や鰹節などを加えても美味しいので、冷蔵庫に余っている食材があれば色々トッピングしてみるのも良いかもですね。

10

2025年11月25日

スープはグリーンカレーと言ってもバイマックルーやガランガルなどのハーブが香り立ち、バイホーラパーやプリッキーヌの鮮やかな緑色が映える一般的なゲーンキョウワーンとは別物で、
土台となるハーブ以外にもスパイス類がしっかりと効かされている、八咫烏的解釈のグリーンカレー、というようなイメージ。
 
マイルドでクリーミーではありますが、ココナッツミルクの植物性脂肪だけではなく動物性脂肪によるミルキー感もあり、
香ばしさ、仄かな渋味、チリの穏やかな辛味などに独特のオリジナリティを感じます。
 
ナンプラーの主張とプリックの強い辛味がないので、タイのグリーンカレーをイメージしているとやや刺激が足りないかもしれませんが、
甘味の強さに関してはタイのグリーンカレーさながらで、バンコクの屋台にはもっと甘い店も多くある事を考えると、
本品は辛味の弱さに照準を合わせて、砂糖の量もこれでもやや控え目に調節しているんじゃないかなと思います。
 
麺は多加水の角刃平打ストレート。タイ料理の中華麺(バミー)や米麺(クイティオ)ではなく、日本のラーメン・つけ麺仕様の中華麺が使われています。
瑞々しい潤いがあり、噛めば噛むほどにスープと融和する小麦の甘味、しなやかでムチムチとしたコシの強さが素晴らしく、
淡麗系のスープとも組み合わされるタイプですが、グリーンカレースタイルとも非常に良くマッチしています。
 
付属トッピングはInスープで、皮までトロっと軟らかい皮付き鶏モモ肉のぶつ切り鶏チャーシューが2個。
1つは塊のままかぶり付き、もう1つは細かく解して麺とスープに絡めて頂くと、鶏チャーの味を余すこと無く活かす事が出来ます。
 
個人的にはグリーンカレーのアレンジ感よりも、麺の美味しさのほうに関心が向きました。
なお一般的なグリーンカレーペーストの強い辛味は無いので、辛い物があまり得意ではないという方にもお勧め出来ます。

5

2025年11月18日

スープは荘グループ系の富士丸インスパイアですが、コンディションはほぼ非乳化状で、塩分濃度は約4.4%という海水をも遥かに凌ぐ超絶高塩分なのですが、
スープのほぼ半量が液体油で占められているため、この強烈な高塩分さえも味覚に感じにくいというトラップになっています。
味が薄いと感じたら、それは油ばかり口にしている状態なので、麺を入れる前にも後にもスープを丼の底からしっかりと混ぜてから頂いたほうがよいです。
 
麺は加水率低めのワイド型角刃太ウェーブ。
俺道は久々に頂きましたが、カットが深掘りの逆切りになっており、熟成度含め以前に比べて一昔前の富士丸麺にグッと近付いたイメージ。
 
付属トッピングはブタ1枚と味付背脂が3種。
ブタは約1cm厚の大判ウデ肉で、噛み応えのあるしっかりとした食感に、二郎インスパの中では比較的やや薄めの味付け。
 
味付背脂は醤油味、トマト味、カレー味の3タイプ。ブタカスも微量ながら其々に含まれています。
使い方は色々で、ヤサイにかけたり、つけ麺風に別皿にするなど、食べ方はお好みで。
 
醤油アブラは通常の味付カスアブラで、ブタも一緒に入れられており、スープとは別にパックされています。
トマトアブラは醤油味にトマコンとトマトピュレを加え、トマトの風味と甘味、旨味、仄かな酸味を効かせてあり、3種の中で1番さっぱりとしています。
カレーアブラは醤油味に一般的なカレーパウダーを混ぜた感じの、ごく普通のカレー風味でした。
 
液体油に固形脂を上乗せしたアブラまみれになるトッピングで、味云々というよりも、とにかくひたすら大量の油と塩分を口にし続ける荒業になると思います。
俺道実店舗製のため、容赦や手加減といった概念が良くも悪くもブっ飛んでいますね笑

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